どんな仕事でも全部受けていませんか?
デザインの仕事で独立すると、「とにかく入ってくる仕事はなんでも受けよう」という考えの人は結構いると思うのですが、受けない選択というのもあると思います。
確かにこのコロナ禍のときにそんなことも言ってられないというのも否定するわけではありません。
自分の周りでも、仕事は必ず受けて、忙しい時は外に発注するという、孫請けに発注みたいなことをしているという人は少なからずいました。確かに、クライアントの仕事を断って、その後のつながりがなくなるというのは仕事がもう来なくなるのではないかという怖さ・不安はあると思います。
デザインの仕事を依頼してくれた理由は?
ここで、クライアントはなぜ自分にデザインの仕事を発注してくれたかということを考えてみるといいと思います。
それはデザイン力なのか、使い勝手の良さなのか・・。
クライアントにもよりますが、「あそこはなんでも引き受けてくれるから頼みやすい」
「ここはデザイン料安いから、今回はこれだけの予算だからここを使おう」
「結構細かい作業多いからこの仕事はここにお願いしよう」
こんなイメージがついてしまうと、確かにデザインの仕事は来るかもしれませんが、いつもスケジュールに余裕のない仕事や作業をこなすような仕事ばかりが回ってくるということになってしまいます。
このような仕事をしていては個人や事務所としての成長というのは難しくなると思います。
やはり、クライアントからは 「デザインを頼むならあそこがいい」 「今回は予算に余裕があるからここにデザインを頼もう」 「まず最初はあそこに打診してみよう」 と思われることが大切だと思います。
期待を裏切らないために断る。
全ての仕事を受けられるだけのキャパがあるのであればいいのですが、 仕事が重なるということは多いもので、 そんな時には断るというのも必要になるかと思います。
特に完成度の高いものを求められているのであれば、 キャパ的に対応できない場合、外に振るのではなく断る選択がいいと考えます。 無理やり仕事を受けて相手の期待に応えられないようなデザインになってしまっては 今まで築いてきた信頼をなくしてしまいます。
知り合いのデザイン事務所の話ですが ホームページの仕事を受けて、内部で制作できず外部協力スタッフにお願いしたところ、 クライアントの期待に応えられずに、クライアントを失ったというケースがあります。
ロゴの制作をしていると、ロゴと一緒に派生するデザインが結構あります。 最初はロゴマークやロゴタイプだけのデザインから、提案しているうちに 名刺や封筒、ホームページやパッケージなどと追加で注文されることがあります。
その場合、多くのクライアントは必ずと言っていいほど、こういうデザインはできますかという質問を投げてきます。 自分の場合はWebのデザインは断っています。依頼を断ることがもったいないとは思っていません。 ロゴのデザインも、仕事が重なれば丁重にお断りをしています。